フォークリフトの運転資格について

よくある質問

①フォークリフトの運転資格を取得したいが、どうしたらいいの?

フォークリフトを運転するためには、そのフォークリフトの能力により資格が2つに分かれます。

  • 最大積載荷重が1トン以上のフォークリフトの運転→フォークリフト運転技能講習を修了すること
  • 最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトの運転→フォークリフト運転業務に係る特別教育を受けること

技能講習は、都道府県ごとに、その都道府県労働局(厚生労働省の地方組織)に登録した教習機関が実施しています。(群馬県の場合では、群馬労働局長登録指定教習機関。よく、労働局を県の機関と勘違いする人がいますが、国の出先機関です。)
特別教育というのは、事業者が行う安全教育ですが、教習機関等で実施しているところもあります。
技能講習が上位資格になりますので技能講習を修了すれば、当然、1トン未満のフォークについても運転できます。実際のところ、1トン未満のフォークリフトは小型のリーチフォークなど数は少なく、最初から技能講習を修了することをお勧めします。

②「技能講習」って、「運転免許」と違うの?

一般にフォーク運転免許と呼ばれているものは、正式には「フォークリフト運転技能講習修了証」といいます。
法律上、労働安全衛生法に規定のある資格です。(法第61条)
工場や倉庫などで最大積載荷重が1トン以上のフォークリフト(普段よく見かけるフォークリフト)を運転する場合には、必ずこの資格が必要になります。だたし、公道を走行する場合には、道交法の適用になりますので、別途、道交法の「小型特殊自動車」や「大型特殊」の免許が必要になります
(当然、フォークリフトは車両登録してナンバープレートが必要)。
なお、この技能講習修了証は登録講習機関ごとに発行しているため、紛失及び変更(氏名)の手続は、原則、発行登録講習機関あてに行うこととなります。

③登録講習機関って、どこで調べればわかるの?

登録講習機関は、都道府県労働局ごとに決まっていますので、各労働局に問い合わせれば、わかります。実際には、各労働局のHPに掲載されております。
群馬県の場合は群馬労働局のHPに掲載されています。また、インターネットで、「フォークリフト運転技能講習」とかで、検索すれば、すぐにわかります。

④修了証は、運転免許みたいに更新が必要なの?

更新(書替)は必要ありません。一度取ってしまえば一生モノです。
ただし、上記のように氏名の変更女性で結婚した場合とか)の場合には、書替の必要があります(紛失の場合は再交付)。この場合(書替、再交付)、一般的は手数料を取られます(当協会の場合は、2,000円)。
再発行の場合、発行機関名(登録講習機関)、交付年月日、修了証番号がわかっていると、スムーズに行えますので、修了証を取得したら、コピーを取っておくか、必要事項を書き留めておくことをお勧めします。
なお、任意ですが、フォークリフトの再教育を実施しているところもあります。

⑤講習はどの位の時間と費用がかかるの?

講習時間は

学科講習 11時間 実技講習 24時間 合計 35時間

ですが、普通自動車以上の免許を有する人は学科講習が4時間免除され、

学科講習 7時間 実技講習 24時間 合計 31時間

となります。さらに、大型特殊免許などを有する人は、実技講習の一部が免除される場合もあります。
多くの講習機関では、普通自動車免許を有する人向けの31時間コースのみを実施しているところが多く、当協会(前橋労働基準協会)が実施している講習もこの31時間コースです。
詳細は、それぞれの講習機関にお問合わせ下さい。
当協会が実施している講習(31時間コース)の日程・内容は次の表のとおりで、4日間の講習となります。平日で連続する4日間(平日コース)か、2週連続の土日で4日間(土日コース)です。
費用は、それぞれの講習機関ごとにまちまちですが、31時間コースで概ね3万5千円〜4万5千円が相場と思います。

当協会カリキュラム

日程 内容
1日目 8:00〜8:20〜 受付
オリエンテーション
8:30〜18:00 学科講習 学科

  1. 関係法令(労働安全衛生法等)
  2. 走行に関する装置の構造及び取扱いの
    方法に関する知識
  3. 荷役に関する装置の構造及び取扱いの
    方法に関する知識
  4. 運転に必要な力学に関する知識
学科試験 学科試験
2日目 8:30〜18:00 実技講習 走行操作・荷役操作

  • 走行及び荷役の操作方法説明
  • 安全の確認方法等
  • 走行(前進・後進)方法
  • 走行(クランク等)方法
3日目 8:30〜18:00 実技講習 走行操作・荷役操作

  • 走行(前進・後進)方法
  • 走行(クランク等)方法
  • 荷役の操作方法
  • 荷積みパレットの積みおろし方法
4日目 8:30〜18:00 実技講習 走行操作・荷役操作

  • 総合走行方法
18:00〜19:00 実技試験 修了試験

講習機関によっては、出張講習や屋内に実技講習会場を有しているところもあるようです。詳細については、各講習機関にお尋ね下さい。

当協会の講習費用は、消費税・テキスト代を含み36,500円となっており、かなり低額な設定になっております。これは、私どもが労働行政の外郭団体であり一般社団法人という性格上、営利目的で実施しているものではないからです。もちろん、誰でも受講できます。

さらに、当協会が実施する講習は厚生労働大臣指定の一般教育訓練給付指定講座になっていますので、別掲の教育訓練給付制度を利用しますと、最終的には29,300円の自己負担で済みます。群馬県内でフォークリフト運転技能講習がこの指定講座になっているところは、まだまだ数少ない状態です。

⑥学科講習では、どんなテキストを使うの?

講習で使用するテキストは、講習機関ごとに異なるようです。講習機関で独自に作成しているものもあれば、中央労働災害防止協会(中災防)や全国登録教習機関協会などが発行しているものもあります。

私ども(前橋労働基準協会)は、中災防発行のテキストを使用しております。


⑦試験(学科試験、実技試験)に受からないと、修了証はもらえないの?そもそも試験って難しいの?合格の基準は?合格率はどうなの?

フォークリフト運転技能講習修了証は、決められた講習を全て受講し、学科及び実技試験に合格した者に交付されます。

学科試験(31時間コース)では、科目ごとの配点は次のとおり。

  • フォークリフトの荷役に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 30点(10問)
  • フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識 20点(10問)
  • 法および規則中のフォークリフトについての規制に関する知識 20点(10問)

合格基準は、各科目の得点が配点の40%以上であって、全科目の得点が60%以上です。

実技試験は、所定のコースを実際に運転し、走行の操作や荷役の操作、かかったコースタイムなどを減点式に採点し、100点満点中70点以上が合格となります。

いずれの試験も真面目に講習を受講すれば、合格は難しくないと思います。

合格率は、一般的には公表しておりませんが、教育訓練給付制度の指定講座については、厚生労働省のHPの、「教育訓練給付制度 講座・詮索」で確認できます。